こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

1月に入ってからお問い合わせも増えて、引っ越しシーズンが近いことを感じます。
即決めされて無事に引っ越された方、家に持ち帰って悩んだあげく申し込もうとしたものの惜しくも他の方に先を越されて申し込めなかった方と様々ですが、この時期は本当に流動的なので、希望の物件が数日間空いてるかどうかは運次第です。こればかりは読めないところ。

さて、お客様とお話をしていてたまに出てくるキーワードに遮音性というものがあります。
自分の家から出される生活音、隣人の家からの生活音、気になりますよね。
住まい方の違う人達が集合して住むわけですから生活時間もいろいろ。
というわけで今日は遮音性について書いてみます。

最新の分譲系マンション

一般的に遮音性はRCやSRC→鉄骨→木造の順に劣るといいますが、それよりも壁や床面の使用材料による影響が大きいと思っています。

分譲系のRCで最近の施工例

これは床面です。コンクリートの躯体が見えています。同じく隣家との壁面にはウレタンが吹かれていて断熱、遮音効果があります。

次にゴム足を立ててパーティクルボードとよばれるコルクのような木の板をゴム足の上に敷きます。
その上にケイカルとよばれる分厚い板をしいて、その上にフローリング材をはっていきます。
文章で書いてもイメージがわきにくいと思うので、図で解説。

さきほどの図の施工方法とは異なりますが、実際の施工方法だとこのような感じ。

この床面はケイカルまで敷いたところです。

ここまでやるとコンクリートの厚みだけでなく、床面を浮かしたり衝撃吸収しやすい素材の床を使っているので階下への音はまずありません。さすが分譲系の最新高級マンション。スペックがすごいですね。

鉄骨メーカー系

鉄骨メーカー系の床の構造です。
分譲系のものと遮音性という意味では劣りますが、それなりに工夫をこらしています。

これが安いメーカーや古い木造建築になると、木板と石膏ボードとフローリングの組み合わせのみだったりします。これが音の原因です。

これがALCの床パネルです。ALCを日本語的にいうと、軽量発泡コンクリートといいます。

壁にも同じことがいえる

これは壁にも同様のことが言えます。
木やアルミのフレームに石膏ボードを貼っただけの壁材というのは賃貸ではけっこう多いです。石膏ボードにも遮音性はあります がコンクリートに比べると劣ります。だったらRCの物件に住みたい!となるわけですがRCの物件は家賃も高い傾向にあるのが特徴です。特に壁面もRCで仕上げているような物件は一人暮らしの学生 さんや入社したばかりの社員さんのお給料では家賃が厳しいといえます。

設計で一工夫している物件もある

なかなか難しい予算内での遮音性の問題ですが、設計段階で一工夫している物件もあります。
上記の図をご覧いただきたいのですが、黄色の部分がA号室の居室部分の間取り図。
これは賃貸物件でよく見る間取りですね。 木造、鉄骨造なんかに多いです。

緑色の部分がB号室の居室の間取り図だと思ってください。


通常であれば隣家との境は石膏ボードのみなのでしょうが、真ん中に収納スペースを持ってくることにより、生活空間に物理的な距離をとっています。
音というのは空気振動ですから距離が遠くなれば振動は弱くなります。そして障害物があれば弱くなります。収納には多くの場合扉がついており、収納ですからモノが詰め込まれています。
ということは遮音効果が得られるわけです。

ちなみにこの設計は子供部屋と主寝室を隣同士に持ってくる時にも有効な設計方法と言われています。

さいごに

不動産屋さんで隣の家の間取りを聞くのは現実的には難しいかもしれませんが、内見に行った際に少しだけ気にしてみてください。そこには設計者の知恵が見え隠れしているはずです。
ちなみに現在、ぼくが住んでいる家は前述したような間取りでした。むしろそこが決め手になったポイント。

それでは!