こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

ふと駅の構内を見回してみるとフリー雑誌が置いてありました。
いつもであればあまり気にもとめないのですが、不動産屋ということもあり少し立ち読み。
そんなことを過去にした記憶があったのですが、今回、スタッフの門伝が事務所にフリー雑誌を持ってきていたので、今回は不動産情報のフリー雑誌について書いていこうと思います。

駅でよく見かけるフリー雑誌

こういう雑誌よく見かけますよね?

中をひらくと、新築マンションや中古マンションや戸建て住宅の情報がぎっしりと書いてあります。

よくある例につっこんでみる

こういう雑誌によくある謳い文句やイラスト(徳留調べ)

  • 閑静な住宅街
  • 東京駅まで◯◯分(快速使用時)
  • 深い緑抱かれた住空間
  • 都心の超高層ビル群を望む、圧巻の眺望
  • 東京湾を見渡すオーシャンビュー
  • 爽やかな風がとおり抜ける居室
  • スケッチ画のようなマンション
  • 花火が見えることをイメージさせるCG
  • キッチン設備付きのパーティールーム
  • 人気の◯◯設備は標準装備
  • 洗練のライフスタイル
  • 東京の住まいエッジな選択

いきおいよく突っ込んでみる

  • 閑静な住宅街
    →工場跡地などに建てたため畑などが多い(静かではあるが人もいない)
  • 東京駅まで◯◯分(快速使用時)
    →(新築の場合何百世帯もの人が一気に入居するため電車は激混み。快速が一時間に一本しかない)
  • 深い緑抱かれた住空間
    →バルコニーに落ち葉が沢山で掃除が大変。排水溝がオーバーフローを起こす。
  • 都心の超高層ビル群を望む、圧巻の眺望
    →見えるのは中層階以上の高層物件だった。(高すぎて買えない)
  • 東京湾を見渡すオーシャンビュー
    →東京湾に近い高層階は風が強すぎて開けられる日が少ないです。特に冬。
  • 爽やかな風がとおり抜ける居室
    →爽やかどころか風が強すぎて風圧で廊下の扉が勢いよくしまりガラスが割れることも。
  • スケッチ画のようなマンション
    →あくまでも周りの環境も整地されてからのイメージ図。計画が完成するのは数年後もあり得る。
  • 花火が見えることをイメージさせるCG
    →年に何回見るのだろうか。
  • キッチン設備付きのパーティールーム
    →要予約の場合が多く、連日のように開催されるマンションサークルで予約が埋まり、なかなか予約が取れない。
  • 人気の◯◯設備は標準装備
    →5年もすれば古い設備になるのでそこに踊らされるのは危険。
  • 洗練のライフスタイル
    →洗練されたライフスタイルを送れるかどうかは自分次第です。
  • 東京の住まいエッジな選択
    →かっこよくきこえるけど、漠然としすぎていてよくわからないです。

戸建ての営業に携わった数年間。マンションの建設に携わった数年間。そして不動産屋にいる今。
色々と現場を見てきて思ったことがあったので勢いよく突っ込んでみました。



なぜフリーで置けるのかを考えてみる

全部で552Pもあるフルカラーの雑誌を何故無料で配布できるのかを考えてみましょう。
もちろんこれは各販売元が広告宣伝費を払っているからにほかなりません。
その広告宣伝費はどこから出てくるのでしょうか?
それはお客様からいただいた契約金の中から広告宣伝費として捻出されています。

お客様に興味を持っていただくための広告ですから夢のある内容にしなければなりません。
ネガティブな要素は排除して(あったとしても小さな文字で)書いています。

これって何かに似ている

こういう手法ってどこかで見たことあるなぁと考えていたら思い出しました。
いわゆる趣味系の雑誌。あれは無料ではありませんが、文章構成とかは同じです。
バンドをはじめたばかりの子達が読みそうな雑誌であれば、プロに簡単になれそうな雰囲気で書いてある夢のあるプロのインタビュー記事。プロが使っている機材の解説。でもよく比率で考えると新作機材の紹介やお店の広告が多かったりしますね。

ゴルフや釣り雑誌なんかも同じですね。新作機材や船宿情報が満載です。もちろんプロによるスコアや釣果の伸ばし方も書いてあったりするわけですが、あれだけで劇的に上手くなった人やプロになった人はあまりききませんよね。自分次第です。

女性の方はイメージしづらかったかもしれませんので、女性雑誌に置き換えてみましょう。
女性ファッション誌にある美人モデルさんのインタビューをはじめ、使用している化粧品の解説やブランドのお話。でも、モデルさんと同じものを着て自分が似合うかどうかは別ですね。そして同じ化粧品が自分に合うかどうかも別の話。あの業界も入れ替わりが激しいので、その時、旬なブランドは5年後にはないかもしれません。なのでブランドで押すようなのはあてにならないわけです。結局、その雑誌はブランドや化粧品の旬を知るという役目でしかありません。

家も同じです

わかりやすくするために、雑誌にまでおとしこんでみましたが、イメージわきましたでしょうか?
家の雑誌だからしっかり書いてあるなんてことはありません。いかに素敵な生活をイメージしてもらうというところに重点を置いて書いてあるのです。今の住居にありがちな不満を解消するために必要な要素を調査してこれを買えば、あなたの生活がこう変わります!というイメージをしてもらうための雑誌なのです。

現実は家族構成、家の金銭状況、家族の意見、住まい方、仕事etc
もっともっと泥臭い問題が山積みで雑誌のようなスマートな生活にはなりません。
ですので、無料の不動産雑誌を鵜呑みするのではなく、きちんと自分の生活に落とし込んで読むようにしましょう。

不動産はかなり現実的なもの。
イメージも大切ですが、現実的な数字を見てみることもおすすめします。

数字で見る不動産(暮らしっく不動産)

それでは!!