さて今日の話題は「フリーレント」です。

言葉的にはいろいろなジャンルで使われる言葉なので、意味は分かっている人も多いと思います。
不動産の場合は、この「フリーレント」に隠れて「デメリット」があるケースもあります。
フリーレントのメリットとデメリットを理解して、お部屋探しの参考にしていただけばと思います。

【簡単なまとめ】フリーレントは得なのか?

【2022年1月26日現在】

2022年も繁忙期がやってきました。
今年は昨年よりも人の動きが多いなと感じています。

さて、2022年、フリーレントは得なのか?という部分、まずは簡潔にまとめたいと思います。

  1. フリーレントよりも礼金なしを探そう(選択肢が増える)
  2. 物件数は、フリーレントよりも礼金ゼロが多い。(2022年傾向)
募集物件 フリーレント 礼金なし
9321 868 3825

※新宿区内 1月26日13時時点での募集物件 暮らしっく不動産調べ

2022年1月26日時点では、フリーレントよりも「礼金なし」の物件が多くあります。(コロナの影響で礼金なしの物件が増えています)
お得住める物件を探しているなら、フリーレントよりも礼金なしを探したほうが選択肢も多くなります。

フリーレントも礼金なしも、初期費用でみれば同じことです。


1. フリーレントって何?

不動産でいう「フリーレント」とは、ある一定の期間が「無料で貸てもらえる」という意味になります。
1ヶ月、これが不動産賃貸の居住用のフリーレントの期間の相場です。(フリーレントが付いている場合)

イメージすると以下のような図になります。

スクリーンショット 2022-01-25 11.10.17.png

2. フリーレントの期間

1ヶ月、これが相場です。

メリットとして、はじめの家賃が浮く計算になるので、初期費用が下がります。
ここが最大のメリット。

どうしても初期費用を抑えたいという人は、嬉しいいポイントだと思います。

またその取引にもよりますが、対象となるのが「賃料だけ」となることもあります。共益費、管理費はフリーレント対象外となることも。
このあたりは契約前、申込みのタイミングで確認をしましょう。

3. 違約金に要注意!

フリーレント物件の場合、ほとんどの物件が特約として「違約金」を設定しています。

3-1. 1年以内の解約の場合は、違約金として賃料の1ヶ月分を支払う。

1年以内に解約した場合は、「違約金」を払わないといけない、というペナルティーを付けている物件が多いです。
条文としては、以下のようなものが、契約書、重要事項説明書に記載されます。

乙の都合のより本契約を1年以内に解約の場合は賃料の1ヶ月分の違約金を、乙は甲に支払うものとする。




永く住む人は問題ないと思いますが、急な事情で引越ししなければならなくなった場合などは痛い出費となります。
インターネットや、不動産屋でもらえる募集図面には「違約金」のことまで書いていないケースがほとんどです。
必ず事前に確認をしましょう。


4. フリーレントはどのくらいある?

フリーレント物件はどのくらいあるのでしょうか。
暮らしっく不動産がよく取引するエリアの数字でみていきましょう。

割合(%)

恵比寿駅

3.18

高田馬場駅

3.86

目白駅

2.28

池袋駅

4.25

山手線の駅、10分以内のフリーレント割合です。
あまり多くはありません。

それでもコロナなどあって都心部はだいぶ増えたかなという印象です。

続いて、もう少し広い範囲「区」で区切ったものでみていきましょう。
7区、2021年に募集された146,986件の割合です。

エリア

割合(%)

港区

8.90

新宿区

8.85

目黒区

7.07

豊島区

8.62

中野区

7.62

板橋区

7.57

練馬区

6.32

※物件調査 暮らしっく不動産調べ 2021年1月から2021年12月まで募集された賃貸マンションのデータをまとめたもの

コロナの影響もあり、だいぶ増えたなという印象です。

5.フリーレント増えてます (2022年1月現在)

コロナの影響もあり、フリーレントが増えているなぁという、印象。
しっかり数字を追ってみたいということで調べてみました。

新宿区の賃貸物件を対象で調べてみると。
やはり大きく増えています。

フリーレント割合
2017 2.76
2018 3.28
2019 3.00
2020 5.42
2021 8.85

※暮らしっく不動産調べ 2017年1月から2021年12月まで エリア新宿区 賃貸居住用マンションで募集されたものを、暮らしっく不動産でまとめたもの

個人的な印象として、新宿区は3%前後がフリーレント割合、とみていました。(通常時)
コロナの影響もあり、2021年では8.85%と大きく増えています。

都心部の賃貸物件が苦戦しているということがよく現れてますね。

6.Q&A
6-1. Q:フリーレントって事故物件が多いの?

そのような傾向にはありません。

事故物件 フリーレント付きの事故物件
77件 8件

※暮らしっく不動産調べ 対象 レインズで募集中の賃貸居住用物件 エリア東京都内

2022年1月25日付けで募集中の事故物件は77件。

そのうち8件がフリーレント付きでした。

フリーレントだから、事故物件(告知事項付きの物件)だ、というのは都市伝説的な噂に過ぎないと、ここでは断定できると思います。
ちなみに事故物件の場合は、賃料を下げて募集することが多いです。



さいごに

「なるべくお得な物件を探したい!」と考えている人もいるかと思いますが、フリーレント物件はあまり多くはありません。
2022年、今年は「礼金ゼロ」が多いです。 
初期費用を抑えたい人はフリーレントでなく、礼金ゼロで探してみましょう!