今回は大家さん向けの内容です。

ヤフー知恵袋で興味深い話題を見つけたので今日はこの話題です。

内容はこのようなものです。

戸建てを賃貸として貸出中。
入居者から、給湯器が壊れたので修理をして欲しいとの依頼がある。

建築関係の入居人なので、自分で修理したいと言ってくる。
しかし見積内容が高額。

修理は大家さん大家さんの方で手配することに。

修理の手配をするも、「仕事で忙しい」「大家が立ち会え」との理由で、修理を拒否。

このような入居者にはどのように対応すれば良いのか?

出典元 
ヤフー知恵袋「賃貸人が修理を申し出て賃借人が応じません。」
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q12137986077

1. 契約内容を見る

このような場合はまず契約書の内容を見ます。
どのような契約書を結んでいるかは、契約をお願いした不動産屋によって異なりますが、大半は国土交通省が「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」を元に作られています。
ぼくが以前勤めていたセンチュリー21のお店も、これを元に作った契約書でした。

今回はこの「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」を元に解説をしていきます。


今回契約書で見て欲しい箇所は、以下の2つになります。

1-1. 契約中の修繕について

契約期間中の修繕については、「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」の4ページ目、第9条に記載があります。

(契約期間中の修繕)

第 9 条

1 甲は、乙が本物件を使用するために必要な修繕を行わなければならない。この場合において、乙の故意又は過失により必要となった修繕に要する費用は、乙が負担しなければならない。

2 前項の規定に基づき甲が修繕を行う場合は、甲は、あらかじめ、その旨を乙に通知しなければならない。この場合において、乙は、正当な理由がある場合を除き、当該修繕の実施を拒否することができない。

3 乙は、甲の承諾を得ることなく、別表第 4 に掲げる修繕を自らの負担において行うことができる。

参照元 国土交通省「賃貸住宅標準契約書(改訂版)」より

この内容を簡単に説明すると。

  1. 大家さんは入居者が部屋を使うにあたって必要な修理はしないとダメですよ。 でも入居者がわざと壊した場合は、入居者が弁償です。
  2. 修理する場合、大家さんは入居者に必ず連絡して下さい。 入居者は、おかしな理由や言い訳で修理を拒否することはできませんよ。
  3. 契約書の別表第4にある簡単な部分の修理については、大家さんに事前に連絡することなく、入居者で直しても良いですよ。でも修理費は入居者持ちで!

といった内容です。


今回問題となっている部分では、2のところですね。
入居者が「仕事で忙しい」「大家が立ち会え」との理由で修理を拒否していますが、それは認められません。

もし今後裁判などに発展したとしても、このような理由は正当な事由に当たらないと判断されることが多いです。


2. 入居者のが修理することについて

入居者の勝手な修理、改造はNGです。

こちらは、契約書の4ページ第8条に記載があります。

(禁止又は制限される行為)
第 8 条
2 乙は、甲の書面による承諾を得ることなく、本物件の増築、改築、移転、改造若しくは模様替又本物件の敷地内における工作物の設置を行ってはならない。

勝手な改造、修理は契約書で禁止されています。
もし入居者が勝手に修理してしまった場合は、原状回復を請求できます。

2. 戸建て賃貸のトラブル エアコンについて


またこの質問の本文中にエアコンが3台壊れていると入居者から指摘があるというものがありました。

後日、不動産屋から連絡があり、建物のエアコン3台が壊れている。すぐに交換してくれと賃借人から連絡があったとの事。
その後ドアの建て付け、インターファンの故障など修繕するようとの事。

長く住んだ戸建てを貸し出す時に注意して欲しいところが、設備の内容。
どこまでを設備として契約に盛り込むのかをしっかり検討しなければなりません。

今回のケースではエアコンをすべて設備としているように考えられます。

戸建ての場合は、エアコンの台数が多いので、その分故障リスクを背負うこととなります。
この部分のリスクを考え、設備として入れる台数はリビングなど必要最低限にしておくと、修理費が軽減出来たりします。

今回のケースでは、その辺りのリスクマネージメントがうまく出来ていなかったのではないかと考えられます。
これはどのような内容で契約をするのか、契約書を作る不動産会社の力量にかかってきます。

3.  契約が大事

賃貸をしていると、いろいろな人がいて、いろいろな事、いろいろなクレームがあります。

これにどう対処するかは、「どのような契約内容で貸し出すか」という根本のところが大切です。

特に今回のような戸建ての賃貸の場合は、設備も多くいろいろなトラブルが予想されます。
その後の修理費を考えて契約内容を考えることが大切になってきます。

しっかりとした契約内容で賃貸に出して、その後のトラブルが少なくなるよう、事前の話し合いがとても大切です。

今回のヤフー知恵袋のようなことが無いように気をつけましょう。