こんにちは暮らしっく不動産の門伝です。

新型コロナウイルスはすぐには収まりそうにありませんね。
休業要請なども出て厳しいテナントさんも多いかと思います。

以前、仲介したテナントさんからも相談を受けています。
「売上がないので、家賃が払えない」と。

さて、どうすればいいのか。 どう進めればいいのか。
ちょっと書いていきたいと思います。


【追記 2020/4/20】
飲食店も経営する不動産会社社長の井出さんが、家賃減額交渉の心得を書いてくれました。
参考になる内容かと思います。

大家さんに家賃値下げをお願いする前に知っておきたいこと(暮らしっく不動産)
https://www.kurachic.jp/column/2069/

まずは相談!

まずは相談です!
話をしないとはじまりません。
いろいろ考えるよりも行動。 まずは相談をしましょう。

都内の老舗不動産業者では、
「オーナに直接打診して。 要望書で正式にね。」という塩対応なところもあるようです。


ということで、とあるお客様の要望書を作ったついでに、雛形をシェアしたいと思います。
文章はイマイチなところもあると思いますのですが、ご容赦ください。

  • 支払期限の猶予
  • 賃料減額

この2パターンがあります。
Google Driveにありますので、こちらよりダウンロード、カスタマイズして使っていればと。
(ただし、この書面使用による責任等は持てませんので、ご承知おきください)
https://drive.google.com/drive/folders/16LfkqHWl_WH9_2jFo-z9mnELm8RVAK8a?usp=sharing


(追記 4月24日)

Google Drive からのダウンロードが出来ない方もいるようなので、PDFを用意しました。
参考にしていただければと思います。

期間猶予.pdf

減額パターン.pdf

(追記以上)

これも一つの交渉ですので、こっちの要望ばかりではまず通りません。
ビルオーナーも借入(借金)があったりして、相手方のことも考えましょう。
なので、まずは相談するための書面がこれです。

ご自身も苦しいと思いますが、実はビルオーナーも苦しかったりもします。
まずはお話をしましょう!


減額交渉する場合の交渉ライン

交渉はまず相手あってのことです。
相手を知りましょう。

苦しいから「半額にしろ!」なんていう交渉は大体通らないと思います。

まずは相手方の懐事情、借入金がどのくらいあって、月の返済がどのくらいあるのか、調べてましょう。

IMG_1337.jpg

これは建物の登記簿謄本を取ればなんとなく分かります。
とはいえ、普通のテナントさんは取るの大変でしょうから、仲介してくれた不動産屋さんなどに相談すると良いかと思います。
(心良い不動産屋であれば手伝ってくれるはず! ネットですぐ取れますから 登記情報サービス



ここで、権利部の(乙区)というところを見てみましょう。
ビルオーナが賃貸経営で借入金があれば、ここに「抵当権設定」が記載されています。

例えばこんな感じです。

img_20200413132805b4a632d40104643931913f66d2ef5683dd73afc2.png

借入の期間までは分かりませんが、ここでは20年と仮定しておきます。

この例でビルオーナーの毎月の返済予測してみると。

借入金 2億3,000万円
金利  0.65%
期間  20年

約100万円が月々の返済となります。(あくまで予測)


このビルが4F建て、ワンフロアーに1つのテナント。
仮にそれぞれの家賃がこのように設定されているとします。

階数 賃料(万円)
4F 31
3F 33
2F 38
1F 48

150万円が家賃収入となります。
月々の返済額が100万円として、48万円が利益です。(ざっくりなので諸経費除く)


これがすべてのテナントさんから、半額交渉受けたとすると。

150  50% = 75

返済額がありますので、15万円の赤字となってしまいます。


このようにデッドラインもある程度予測して、減額交渉することをおすすめしたいです。
(そうなるとだいたい2-3割の減額交渉となる物件が多くなる気もします)


ちなみにこの「抵当権設定」がない物件もあります。
借金がない大家さんです。

この場合は比較的相談しやすいかと思います。
しかし、くれぐれも丁重に。
「下げなければ出ていくぞ!」的な交渉は、結構嫌な印象になっているようです。(最近この手の話をよく聞くきます)


それからこんな報道もありました。

入居事業者からの賃料減免なら損金として計上可能に 国交省、法人税負担を軽減(SankeiBIZ )
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/200410/mca2004101123011-n1.htm


今後の国交省、財務省の発表に注目ですね。
これが本当であれば、かなりの好材料になるかと思います。


さいごに

いやー本当にまさか、こんな日がくるなんて。
そう思っている方も多いかと思います。
自粛して時を待つまでではありますが、家賃の支払い期日はやってきます。
なんとか、なんとかしてこの苦難をしのいで、乗り越えていければと思い、この記事をシェアしたいと思います。


まずは相談を!
相談は書面でと言われてしまったら、この書面をカスタマイズして役立てていただければと思います。

今回のブログがどなたかのお役に立てればと思います。
それではまた。