こんにちは暮らしっく不動産の門伝です。

今日は成人の日ですね。 新成人の方、おめでとうございます。

さて、今日はこんなニュースが。

新成人 晴れ着を着られず混乱 横浜の会社と連絡取れず(NHK)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180108/k10011281771000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_001

これは可哀想。 ひどい業者だなと思います。
被害に合われた方はなんとかその後の同級生の飲み会などで少しでも楽しんで盛り返せられればと思います。


このような突然の倒産、少し前に旅行業者てるみくらぶで同じようなことがありましたね。
覚えている方も多いでしょう。

これから不動産賃貸は繁忙期、部屋探しで不安になる人もいるかと思います。
今日は不動産屋が夜逃げ(倒産)すると仮定して、気をつける点を書きたいと思います。

不動産賃貸の不動産屋は大きく分けて2つ

不動産屋と言っても実は内容はいろいろあります。
ベデロッパー、不動産再販、売買の仲介(買い側、売る側)、賃貸の仲介(貸す側、借りる側)など。
ここでは賃貸に絞って話を進めていきたいと思います。

賃貸では大きく分けて2つに分けられます。

  1. 部屋を貸す側の仕事(仲介)をする不動産屋
  2. 部屋を探している人の手伝い(仲介)をする不動産屋

1の貸す側は、いわゆる管理会社と言われる部類の不動産屋です。 
大家さんから依頼を受けて物件を管理したり、更新手続きしたり、部屋が空いたら募集したりと、そのような仕事内容です。
ちなみに弊社はこの分野の仕事が多いです。

不動産業者の間では「元付け業者」「管理会社」などと言われます。



2の部屋を探している人の仲介をする不動産屋は、いわゆる駅前にある「部屋あります!お部屋探しはうちで!」とポスター、図面、旗をたくさん立てて宣伝をたくさんしている業者です。
実際に物件を持っていることは少なく、1の管理会社の情報を元に仲介の仕事をします。
不動産業者の間では「客付け業者」と言われます。

ただ1の元付け業者が2のような客付けを全くしないわけでもありません。
ただそこを追いかけると大変でもあるので「少しはやる」という会社が多いです。
大きいところ三井不動産レジデンシャルや東急住宅リースなどは最近ほとんど客付けは自分でやらないのかなとい印象です。 募集方法や契約条件などを見ての個人的な意見ですが。

なんで少ししかやらないかというとビジネスモデル的に大変だからです。

1の元付け、管理会社の仕事は、ストック型ビジネス。
2の客付けの仕事は、フロー型ビジネス。

2の場合だと、ずーとお客様を獲得して、契約もどんどん取っていかないと行けません。
不動産取引はそこまで数が多いわけではないので、これを主戦場にしてビジネスをやっていくのは結構大変です。
賃貸の客付け仲介の収益のメインは仲介手数料(家賃の1ヶ月分)なので、そこまで金額大きくないです。 
そういうこともあり、元付け業者・管理会社、大手さんなどはそこまで力を入れていないのが原状です。

ちなみに弊社は基本1の元付けや管理の仕事がベースになっていて、2もやっている、という仕事内容です。


2の客付け業者ビジネスで失敗したのが、うちナビさんです。

http://www.tsr-net.co.jp/news/tsr/20161012_01.html

https://www.kurachic.jp/column/1435/

以前取引したこともありましたが、担当者は仕事もスムーズに出来て良い印象でした。 
不動産屋としてはそんなに悪い業者じゃなかったと思います。
広告費を掛けすぎたんじゃないかなというのが個人的な意見です。




夜逃げの可能性が高いのは?

夜逃げの可能性が高いのは、客付け仲介の会社だと思います。
うちナビさんも突然倒産のニュースが出ました。


ただ客付けが突然倒産しても、お客さんに迷惑になる可能性は少ないとは思います。
ただ一つ、契約金の振込には気をつけましょう。

それでは注意するポイントをあげていきたいと思います。

契約金の振込みは基本的には管理会社

賃貸の契約の流れは以下のとおりです。

  1. 気に入った物件決定!
  2. 申し込み
  3. 審査
    <1-5日ほどかかる>

  4. 審査結果OK!
  5. 精算書発行 <ここで初めて金銭のやり取り発生>
  6. 契約手続き
  7. 入居

申込みを入れて審査結果が出た段階ではじめてお金のやり取りが発生します。
契約金というものを振り込みます。
前家賃、敷金、礼金、保険料、仲介手数料などまとめたものが契約金と言われています。

ここで気をつけたいのは振込先です。

振込先は基本的には管理会社(元付け業者)です。
客付け業者の口座へ指定することはありません。 
全ての不動産取引を知っているわけではありませんが東京で500件以上は客付けの契約していますが、100%管理会社指定です。 もしくは大家さんの口座。

そもそも精算書は管理会社が作成するものです。


この精算書、振込先には注意をしてもいいのかなと思います。
不動産取引で夜逃げ被害が出るとすればここだと考えます。


ちなみに賃貸の契約金の振込は、精算書発行から1週間ほどがほとんどで少し急かされることが多いです。(これは契約の関係)


賃貸に手付金はありません

賃貸では、申込時の手付金は禁止されています。

これは以前のコラムでも書いています。
https://www.kurachic.jp/column/578/


東京の不動産取引でも手付金取られることはほとんどありません。
唯一あるのは、旭化成のヘーベル物件やDaiwaハウスの賃貸物件などを取り扱うニチワさんが管理する物件。
ここの管理物件は未だに昔のルールなのか申込時に手付金を入れないと審査してくれません。
※他にも手付金取っているところがあるのかもしれませんが、管理会社として知っているのは今のところニチワさんだけです。

※手付金をやっているニチワさんが悪という話ではありません。 審査通らなそうだったらその前に話してくれますし、なんかルールがあるんだと思います。

ポイント

  1. 契約金の振込先は仲介会社ではない
  2. 賃貸に手付金はない

この2つを抑えておけばよいかと思います。

さいごに

不動産業者は法務局に供託金を入れないと営業できないという規定があります。(もしくは保証協会に加入)
しかし計画倒産などされたらその救済処置なんてほんのわずかだと思います。

お金の流れ、支払先、支払いのタイミングなど少し注意して見てみるのもよいかと思います。

それではまた。