暮らしっく不動産 福岡オフィスの前川です。
NEW COMMER
先日 知り合いが仔猫を引き取りまして、ここ1か月ほどで体重も増え、すくすくと成長しています。
この仔猫は、いわゆる野良猫として生まれ親猫は分からず、当時1匹で後ろ足に怪我を負い、足を引いていたような状態で、ある家に突然迷い込んできたそうです。
まだ生後3か月そこらで体重1㎏未満でした。
その家ではすでにペットがおり、暫くは様子を見ていましたが、先住のペットとの相性が悪く、やむ無く里親探しをしていたところ、冒頭の知り合いが引き取ることになったという経緯です。
この知り合いの家は、寮のような棲み処ですので、事前に他の住民の了承を得て、飼うことになりました。
ここにも、先住の猫が既に1匹いたため、相性が気になるところでした。当初は、何やら威嚇し合う間柄でしたが、1週間後には、じゃれ合う姿も見られ、今では外から見ると親子のような親交を保っています。
後ろ足の問題は、病院で自己治癒できる位と診断されて、じゃれ合っているうち(猫的リハビリ)に、いつの間にか治っていて、"親猫"のしっぽを追いかけまわしています。
体重も1㎏を越してきて、抱っこした時の重量感も出てきました。
生きていくためには生命力と運
親から逸れ、まだ視力も定まらない中で交通事故に遭い、飛び込みで見知らぬ家へ駆け込み、たまたま世話してもらうことが出来て、里親まで見つけてもらい、皆にかわいがってもらい現在居心地の良さを感じていることでしょう。
まだ屋外には出せないので人がいるときは建物内、人がいない時や夜間は専用の部屋を1つ与えられています。
冷暖房、餌・水、遊び道具完備です。
生きていくためには、生命力と運を持ち合わせていることが大切なのかなと、この仔猫を見ていて実感させられます。
全国の飼い犬の頭数
出典:厚生労働省 都道府県別犬登録件数
年度 平成27年度(年度末現在)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/01.html
国は狂犬病予防の観点から犬の登録を義務付けているため、全国の犬の登録件数の把握はできますが、猫については、その外なのでちゃんとした資料がありませんでした。
ペットフード協会など民間団体が出している資料はあると思いますが、ここでは裏付けのある厚生労働省の資料を基に、都道府県別の犬の登録頭数を見ながら猫の飼育割合を想像することにします。
ここ十数年の中で、犬ブームや猫ブームの到来が数度繰り返されていますが、近年は経済的な落ち込みもあってか、世話や出費が比較的少なくて済む猫の人気が高くなってきたんだとか。
今までペット頭数では優位にいた飼い犬頭数も下がり続け、癒し系の猫頭数と拮抗しているとも言われているため、そういう社会的流れからほぼ同じくらいかな、位の感覚で見てください。
ペットとしての登録頭数ですので、その全体数は自ずと人口とほぼ正比例となりますが(表参照 )、
人口との割合で見てみると(表参照 )、香川県、三重県、岐阜県といった県が上位(人口に対して犬が多い)にきており、東京都、山形県、秋田県が下位(人口に対して犬が少ない)に至るという結果になります。
福岡県は、人口ランキング9位に対して犬登録数ランキングでは30位ということなので、都道府県比較では、それほど飼い犬が多い県ではないと言えます。
都市圏は、人口は多いですが若年層や一人暮らし世帯が占める割合も多いため、このような結果になることが想像できます。
福岡市内でペット可の賃貸物件数
ペットと言っても犬や猫だけでなくハムスターや熱帯魚、イグアナ等々あります。レインズでの調査では
"ペット相談可"というアバウトな区分で分かりづらいので、今回は福岡県独自の不動産検索サイト"ふれんず"が
犬と猫の可・不可のカテゴリー分けがあり、こちらで調べてみました。
調査条件
7月下旬にて
市内のマンション・アパート
ペット以外の条件なし
の登録物件数ですが以下のような結果となりました。
- 賃貸物件全登録数 14926件
- 小型犬可物件数 819件 (0.055%)
- 大型犬可物件数 27件 (0.001%)
- 猫可物件数 607件 (0.04%)
それほど多くはないと思っていましたが、想像以上に少ないことに驚きました。
ペットを愛する方々にとっては、限られた中から賃貸物件を探すことになりますね。
物件オーナーさんや管理会社の立場から見ると、物件の保全維持の面、余計な近隣トラブル回避、といったところでしょうか。
逆に、ペット可を謳っている物件は、そういったニーズに応え、差別化したビジネスモデルと言えます。
ペットを飼っていた物件の売買価値
次に売買物件についての考察です。
賃貸物件と同様に、マンション・アパートのペット可の売買物件数を調べると全体の1%にも満たない割合ですが、売り手の判断というよりもそもそもマンション規約により規定されているためです。
戸建てについては、買った人の自由ではありますので、検索では出てきません。
「ペットを飼っていた物件の売買価値が下がるのか」という疑問については、一概に下がるものではありません。
言ってみれば、子供部屋の壁や床が子供のいたずらで落書きがあったり汚れていたり、又は思春期の息子が扉に穴を開けていたり、と同じように物件の状況によるものであり、ペットの有無で変わるものではありません。
特に戸建て物件は、唯一無二の1点物であり、前住者がペットを飼う環境を整えていたことで、次の買い手は
ペット環境を整えなくて済むこともあります。近くにペットの散歩コースや動物病院、トリミングのお店があることが物件購入の動機になるかもしれません。
前住者が介護用の環境を整えていて、至る所に手すりがあり、階段には電動椅子があるような物件は、そのような環境が必要な方にとっては、"ありがたい設備"ですが、若い子育て世帯にとってはスペースをとってしまうので"不要な設備"とも言うことが出来ます。
繰り返します。地域相場はある程度考慮しないといけませんが、売買の場合は1点物ですので、最終的には売り手と買い手のマッチングです。できるだけ広い市場から、買い手と売り手の一番のマッチングを見つけてお繋ぎするのが我々不動産仲介の役目であります。
まとめ
迷い猫も売買物件も、唯一無二の存在です。
猫と物件を同じように書きましてどちらに対しても失礼とは思いましたが、一期一会はどの世界でも大切にしたいとの思いです。
タイミング、ニーズ、地域性、ライフスタイルは人それぞれ、猫もそれぞれです。
猫の里親探しも物件の"里親"探しも、なるべく広い世界(物件なら市場)から探した方が、それぞれにマッチングする組み合わせが見つかる可能性が高まります。
当の本人は、ゆったりしているのがなんとも癒されます。