こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
お客様とお話をしていると住まいに関するご相談を多々受けます。
- こんな不動産営業マンがいた
- こんなことを不動産屋に言われた
- こんな費用を請求された
- etc
相変わらず不動産業界は闇が多いような気がします。
今シーズンも特に多いなぁと思ったのが"おとり物件"を紹介されて時間を無駄にしたというケース。
もちろん紹介する業者が一番悪いのですが、自己防衛としてどのような点に気をつけるのがいいのでしょうか。
1.モノには相場があることを把握する
航空券を探す機会があったので比較してみました。
上記の表は東京から鹿児島まで行く飛行機の航空会社ごとの割引がきいたあとの料金比較です。
上記表の"航空券の料金"という列を見てみると16,860円というのが底値のようです。
ここからわかることとして、東京から鹿児島までこの時期に飛行機で行くのに16,860円以下で行くのは難しそうだということ。
言い換えると、東京から鹿児島までこの時期に飛行機で行くには少なくとも16,860円以上がかかるということです。
じゃーここで9,800円という値段設定があったらどうしますか?
チケット取ろうと思ってリンク先をまずは押してみますか?
サイトが更新されておらず、ゴールデンウィーク以外の値段の可能性が非常に高い。
ぼくも押してみたら、案の定そういうことでした。
(ゴールデンウィークをのぞけば)9,800円からあるよという意味でした。
"ゴールデンウィーク"における"飛行機"という手段の底値は16,860円ということが知るべき相場の一つです。
家でも同じ
出典google map
https://www.google.co.jp/maps/@35.3292406,139.6842613,60543a,35y,35.19t/data=!3m1!1e3
家賃相場の話は定期的に書いていますが、自分が住みたい街、部屋の広さ、設備状況(バス・トイレ別など)、は事前に調べておくのが良いといえます。家賃相場を調べるだけならネットで十分です。
大手不動産広告サイトのスーモやat homeやhomesなんかで調べることもできますし、暮らしっく不動産でもたくさん記事を書いています。
暮らしっく不動産 家賃相場関連の記事一覧
https://www.kurachic.jp/search/?query=%E5%AE%B6%E8%B3%83%E7%9B%B8%E5%A0%B4&&tag=1&limit=37
実際に2016年4月から2017年3月までの期間で実際に募集された物件を調べてみました。
- 高田馬場駅 徒歩10分以内
- 1K
- バス・トイレ別
- 2F以上
- 20m²以下
一人暮らしでよくあるお問い合わせの物件条件です。しかも20m²としましたが、モノが多い人にとっては狭いと感じ条件かもしれません。この条件の家賃相場
78,000円(管理費込み)
平均面積18.54m²
平均築年数17.09年
※国土交通省レインズ、ATBBより暮らしっく不動産でデータをまとめたもの
です。この78,000円というのが平均値なのですから、これより安くしたいと思う時はなんらかの条件を変える必要があります。
- 高田馬場より家賃相場の安いところで考える(もっと西に行く)
- バス・トイレ別を諦める
- 築年数は17.09年より古いものにする
- 広さを18.54m²より狭い物件にする
今、考えられる選択肢としてはこのようなところでしょうか。
"時期を変えたら条件を変えなくとも物件が出てきますか?"というお話もたまに聞きますが、航空券の値段と家の値段が異なるところはそこです。航空券はローシーズン、レギュラーシーズン、ハイシーズンと時期によって値段が異なるのですが、不動産は時期を変えても特別にいい条件の物件が出てくることはまずありません。ローシーズン、レギュラーシーズン、ハイシーズンでも条件が同じなら出て来る物件のクオリティは似通っています。
2.安さには理由があることを知る
先程の航空券の料金比較の表に戻ります。
底値であったE社ですが手荷物の持ち込みkg制限が他社よりも厳しいですね。
他社が10kgなのに対してE社は5kgです。
バックパック一つで旅する人には5kgで十分といったところですがお土産を大量に購入する人にとって5kgはすぐにいってしまう数字です。お酒なんて買ったらあっというまに5kg。
もちろん10kgにすることもできますが別料金で1,850円かかります。
これを入れたら19,670円それでも他社よりは安いですね。
なんで他社は10kgなのに、5kgじゃないんだ!などと怒ってはいけません。
10kgじゃないから安くできているんです。
これは家でいえば相場より安いのに、"なんで今時、風呂・トイレ・洗面が一緒なんだ!"
"なんで今時、バランス釜なんだ"これに似ているような気がします。
それがあるから相場より安く設定できているのです。
3.オプションをつけて色々考慮したら相場に近くなることを知る
格安航空会社で16,860円という代金でしたが、これに荷物の重量を10kgにすると+1,850円となり19,670円となりました。
荷物の重量もオプションなのですが、もう一つオプションがあります。
それはクルーズ中の飲み物。航空券がもともと高い航空会社はその料金のなかにドリンク代も含まれています。
対して格安のところは飲み物はオプションとなっており自動的には出てきません。その都度買うというところです。
ノンアルコールのドリンクをつけてみましょう。
某社では200円でしたので+200円=19,870円
ここから先はその人が住んでいるエリアによっても大きく変わってくるのですが、成田や羽田までの交通費を考えたら、羽田発の少し安めの航空会社とそんなに変わらないというところでしょうか。ぼくの場合、成田までの電車代を2,180円を足すと22,050円となりC社やD社よりも高くつくことになりました。
相場と物件の関係性を考えてみました
※図のOPとはオプションのことです。
先程の話を図にするとこのような形でしょうか。
航空券と不動産は似ていますが少しだけ異なる部分があります。
それは相場より安い物件ほど目に見えづらいサービスが必須であり自由度が低くなるというところです。
以下の4物件を仮定として比較してみましょう。
先程の高田馬場の相場で考えてみます。
相場が1Kで78,000円でしたね。
物件A
家賃100,000円
管理費3,000円
保証会社:必須 総賃料の50%
24時間サポート:13,000円(必須)
抗菌処理代金:10,000円(必須)
物件B
家賃75,000円
管理費3,000円
保証会社:必須 総賃料の50%
24時間サポート:13,000円(オプション)
抗菌処理代金:10,000円(オプション)
物件C
家賃65,000円
管理費3,000円
保証会社:必須 総賃料の100%
24時間サポート:13,000円(必須)
抗菌処理代金:10,000円(必須)
物件D
家賃50,000円
管理費3,000円
保証会社:必須 総賃料の100%
24時間サポート:13,000円(必須)
抗菌処理代金:10,000円(必須)
- 物件Aは相場よりも高く色々なものが必須としてついています。さきほどの航空会社の例でいえばA社やB社の状態。付加価値が多いが選べない。
- 物件Bは相場どおり。さきほどの航空会社の例でいえばC社やD社の状態。
- 物件Cは相場より安くみえますがオプションも考慮すると相場に近い状態。さきほどの航空会社の例でいえばE社のオプションをつけた状態。
- 物件Dは見た目の金額が相場より完全に安いです。毎月の支払いは安いですが寝れればOKぐらいの割り切りと工夫が必要です。
目に見える金額でいえばE社のOP無し状態ですが、不動産の場合は相場より安い物件に関してはオプション必須が増えてきます。
設備も期待できないうえにオプション必須になるのが不動産です。飛行機でいえば支払い手数料とか発券手数料とかシステム利用料みたいなものに近いかもしれません。
高級賃貸系にお金が出せる人であってもオプション項目が必須であるのはおかしいと思う人も一定数います。
ですが、飛行機でいえば"ドリンクいらないので航空券の代金を安くしてください"と言っている状態に近いかもしれません。
そこを含めての高級賃貸、高級物件というところでしょうか。
さいごに
結局は値段相応なんだよなぁと思いつつ、今回飛行機のチケットを手配しています。
不動産ネタで散々家賃相場が大事ですと書いていましたが、他ジャンルになると途端に盲目になってしまいます。
いわゆる"おとり物件サイト"をたくさん押してしまいました。
皆様、よき連休をおすごしください。