こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
専門家ではないので教科書が書けるほど詳しくはありませんが、日本史が好きです。
大河ドラマは史実をベースに拡張した話だったりするわけですが、けっこう楽しんでみています。あぁ、ここはもっと"残酷な話なんだよなぁ"とか"この何年かをナレーションで終わらせちゃったよ"とかそういう感覚です。
さて、もともと三河武士だった徳川家康が豊臣秀吉の命で江戸にやってきた1590年(諸説ありますが)はまだまだ東京の街並みは湿地帯と呼ばれるエリアだったようです。
湿地とは何か?と調べてみるとwikipediaには下記のような記述がありました。
湿地から連想する用語として湿原があげられるが、湿地には幅広い意味があり、その他にも湖、沼、地下水系、水田、ため池、干潟、マングローブ、藻場やサンゴ礁などが含められる。このように湿地の定義や範囲は広く、その適用範囲は状況に応じて様々である。
出典:wikipedia https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B9%BF%E5%9C%B0
今でこそアスファルトで覆われている道路ですが、江戸の初期は田んぼや沼や干潟が多かったようです。水っぽいイメージですね。
出典:wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0#/media/File:Oryza_sativa_Rice_sprouts_ja01.jpg
このように湿地だらけだった江戸の町を開拓して人口100万人もの都市にしていった徳川家。それだけの人数が居住するには土地の確保が必須だったわけで、このような沼地をどんどん埋め立てて整地していきます。
さすがに江戸時代にどのあたりが湿地だったのかというきちんとしたデータというのは残っていないようなのですが、明治時代頃のデータであればきちとデータベース化されています。
明治期の湿地
出典:地理院地図
国土地理院という日本中を測量してデータ化している機関のデータベースで見ることができます。上記の写真は明治期の湿地の状況を現在の地図に重ね合わせたものになります。
出典:国土地理院 http://cyberjapandata.gsi.go.jp/legend/SWALE_hanrei.pdf
地図中にある色分けは上記のような区分けになっています。
この表に照らし合わせると、明治時代の川沿いのエリアはほとんどが田んぼたったことがわかりますね。お米の生育には水は必須ですから川の近くで行うという原則から考えれば必然的な結果ともいえます。
出典:国土地理院
暮らしっく不動産のあるエリアの少し奥側は田んぼだったようです。
出典:国土地理院
http://maps.gsi.go.jp/#15/35.658953/139.791605/&base=std&ls=std%7Cswale%2C0.85&disp=11&vs=c1j0l0u0f0
何かと話題の豊洲ですが、明治期は海の底だったことがわかりますね。
広範囲に渡って埋め立てた結果、今の街並みが形成されていることがわかります。
東京の北東部はほとんどが田んぼです。
荒川や隅田川から水を引っ張ってくることを考えると非常に"地の利"があったのだと思います。
出典:国土地理院
http://maps.gsi.go.jp/#15/35.681196/139.775727/&base=std&ls=std%7Cswale&disp=11&vs=c1j0l0u0f0
さすがに日本橋近辺には明治期には田んぼはなかったようですね。
出典:国土地理院
http://maps.gsi.go.jp/#15/35.685100/139.723842/&base=std&ls=std%7Cswale%2C0.85&disp=11&vs=c1j0l0u0f0
新宿区の左門町近辺にはたくさんのお寺がありますが、このあたりも田んぼはほとんどありません。昔からお寺や神社は土地の条件としていいところに建てるなんていいますが、その証拠のような気もします。もちろんお寺があるところにはお墓があるところも多いので好き嫌いはあるかと思います。
ネズミの王国の近辺は泥池と荒地の先に作られていることがわかります。
ワールドバザールもお城も埋め立て地に立っているのです。
土地の性質と値段
家を建てる人の場合、当然自分の土地の性質というのは大変気になります。
液状化現象や建物の自重で沈んでしまわないのか?等、色々と考えることは多いです。
建築屋さんではもちろん地盤調査を行ってから工事に入るのですが、都内でいえば数メートル掘ったら水が出てくるようなエリアもあります。
そのような場所では写真のように土地に穴を掘って柱状改良と呼ばれるコンクリートの柱を地盤の固い層まで入れる場合もありますし、鉄の杭を固い地盤面まで入れる場合もあります。
よくあるのが都内で安い土地を手に入れたのにも関わらず、地盤が軟弱なために地盤の改良費でお金を取られてしまうパターン。これには気を付けたいですね。
国土交通省は地価公示価格を毎年発表していますが、安定していると思われる土地はやっぱり一坪の値段も高いですね。
国土交通省 土地総合情報システム
http://www.land.mlit.go.jp/webland/
さいごに
徳川家康が江戸に幕府を開かなかったとしたら、江戸はもしかしたらお米の産地になっていたかも。。。と考えると、歴史って面白いですね。
(ただし江戸のお米が美味しいかどうかはわかりません。)
ちなみに国土地理院の明治期のデータですが解説によれば
場所によってはかなりの位置誤差を含む場合があります。 関東地区、近畿地区のデータ作成に使用した原典資料は、位置の基準である三 角点が整備される前に作成されたため、「明治期の低湿地データ」の位置は、場 所によってはかなりの誤差を含んでいることもありますので注意が必要です。
出典:国土地理院
http://cyberjapandata.gsi.go.jp/legend/SWALE_hanrei.pdf
ということなので100%正確なわけではありませんが参考にどうぞ。
それでは!