こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
元々、戸建の営業マンをしていたこともあってお客様から沢山のご要望をヒアリングしてきました。そして今は不動産屋。こちらも沢山の要望をヒアリングするのが仕事です。
みなさん、すごい要望をお持ちです。
要望と現実
戸建の時は自由設計なのでどんな形にもできるのですがヒアリングしてみると。。。
- オーディオルーム
- キッチン広々
- 庭
- 書斎
- 山手線圏内に30分以内で行けるところ
のようなご要望が出てきます。結婚して子供も産まれてきた30歳代。そろそろ戸建かなとなるわけですが、世の中のほとんどのサラリーマンだとこのような家を建てるのは無理です。
さっきの条件を現実的なものに変換してみます。
- オーディオルーム→夫婦の寝室
- キッチン広々→現実的なサイズ。大きな冷蔵庫は置けるようになる。
- 庭→駐車場がやっと
- 書斎→収納
- 山手線圏内に30分以内で行けるところ→ローンが組める限界を考えると郊外で通勤時間90分
日本経済のせいなのかCMやメディアが煽りすぎなのか、夢のマイホームですら現実的になってしまうのがこの世の中。都心部に家を建てられるのは代々土地を持っているか、役員以上の会社員のような気がします。
期待大、結果小。みたいな感じでしょうか。テンションが下がるのでここで気持ちが萎えてしまうお客さんもたくさんいるのですが、それでも現実を見て、今の自分のスペックをきちんと把握した人は小さいながらもマイホームという夢を実現していたような気がします。
この概念は賃貸も同じです。
相場や自分が払える家賃がわかっていないと、物件は見つかりません。
そして賃貸の場合は、そこにひそんでいる"おとり広告"。「お得だ!お得だ!この物件ありますか?→さっき出ちゃったんですよ。」と騙され続けることになるのです。
東京という元から相場の高い街。そして街のように高くはない給料でどうやって東京に住むのかということを考えると一部の方を除き、あまり多くの要望を叶えるのは無理です。
無いものは無い!
良いものは相場よりも高い
設備的要素
相場の話の時にいつも書いているような気がしますが、設備が充実している物件は高いです。相場よりも高いことが多いですね。
- オートロック
- ウォシュレット
- 宅配BOX
- 24時間セキュリティ(セコムやアルソックのようなもの)
- 追い炊き
- 角部屋
- 最上階
- 常時ゴミ出し可能
- 独立洗面化粧台
- モニター付きインターホン
- etc
ウォシュレットだけとか、オートロックだけというのなら、まだ物件としてはあるのですが、上記に挙げたような条件の複数コンボで条件がきてしまうと、そのエリアの相場よりも高い家賃でないと物件はありません。また"宅配BOX"があるような物件は大概オートロックもついていますから、一個の条件を選ぶことによって複数の条件が自動的にくっついてきます。このパターンももちろん相場よりも家賃は高め。
場所的要素
設備的要素に加えて、家賃を上げる要素。
場所的要素はもっとも大きいですね。
駅から離れれば家賃は安くなりますが都心部は15分も歩けば別の駅なです。
家賃がなかなか下がらない。
「都心部で徒歩10分を15分にしたら掘り出し物件ありますか?」
という質問があったとしたら、
「ありません。」
というのが現実です。
都心部の相場
暮らしっく不動産では以前にいくつかの家賃相場を調査して出しています。
参考にしてください。
東武東上線の設備ごとの家賃相場
https://www.kurachic.jp/column/1226/
部屋探しのコツは相場感覚!土地の値段と家賃は比例します
https://www.kurachic.jp/column/1081/
京王井の頭線の家賃相場 都心に出やすい便利な路線
https://www.kurachic.jp/column/1145/
都電沿線に住むのも悪くないです
https://www.kurachic.jp/column/1137/
西武新宿線が狙い目です 家賃相場は中央線よりも安い
https://www.kurachic.jp/column/1140/
中央線の家賃相場まとめ
https://www.kurachic.jp/column/1019/
分かりやすい家賃相場! 高田馬場の1R/ワンルーム編
https://www.kurachic.jp/column/501/
山手線の家賃相場まとめ
https://www.kurachic.jp/column/1049/
都心部の賃貸に夢を持ってはいけない?
少しでもいい物件に住みたいというのは非常にわかるのですが、世の中の不動産屋がやっているような文言を考えてみてください。
- 「なんでもあります!」
- 「どんなご要望にもお答えします。」
- 「とことん話します。」
この言葉を家賃相場や会社経営という現実で考えると次のように突っ込むことができます。
- 「なんでもあります!」→いくらでも払える家賃があるなら。
- 「どんなご要望にもお答えします。」→どの業種でもそんなことはあり得ない。
- 「とことん話します。」→そう言う人ほど時間あたりの経費考えてます。
大手の不動産屋が正月明けになると一斉にCMを流し始めます。
2月3月のシーズンに照準を合わせて展開しているのだと思うのですが、あまりに"できますできます。やれますやれます。"言い過ぎだなと毎年のように思いながら見ています。
好感度の高い美人女優やミュージシャンが部屋を探してくれるわけでもないのになぁ。
夢を見る前に、現実の相場と払える家賃を把握するのが家探しの一番の極意だと思います。
それでは。