こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。
物件から最寄駅までの分数、みなさんどれぐらいまでなら許せますか?
5分以内の人から15分ぐらいまでの人と人それぞれですね。
さて、業者用の検索サイトを見ていたら、なかなか面白い見せ方をする業者を発見しました。
最寄駅まで徒歩50分?
この物件、最寄駅は有楽町線小竹向原徒歩5分。
もしくは西武有楽町線 新桜台徒歩8分。
ですが、最後に書いてある最寄駅が池袋駅徒歩50分!
えっ?これ最寄駅?
小茂根4丁目というのは左側の赤いエリア。
最寄駅でいえば小竹向原、氷川台、新桜台(左端で切れてますが)ですね。
ですが、池袋駅を最寄駅にしています。終電なくして池袋から歩いて帰る時には有効な情報?かもしれませんが、非現実的な距離といえます。
ターミナル駅の検索にひっかける
現代の不動産業者においては業者用検索サイトを使って物件を探すことが多いのですが、どうしてもマイナーな駅や路線というのは埋もれがちです。都内に住んでいる人であれば小竹向原という駅は知っているかもしれませんが、全国の人からすると池袋は聞いたことがあっても小竹向原は聞いたことがない人がほとんどではないでしょうか?
業者用検索サイトで広く担当の目に物件情報を触れるようにしたい!と思ったのか、ターミナル駅を無理やり紐づける登録方法ですね。
このような条件にするとわりと上位に先ほどの物件が出てきました。
ここが狙いだと思われます。池袋が最寄の駅だったらいいなぁーと思っている人がターゲットですね。
他にもやってるところがあるのかなと思い調べてみました。今度は渋谷でやってみましょう。
渋谷が最寄駅で徒歩30分以上で登録されている物件が7物件ありました。
住所から考えても渋谷が最寄駅なわけないのに。。。やっぱりこれもターミナル駅である渋谷の検索にひっかかってほしいための方法と考えられます。
誤解を与えるような表記はひかえる
ある種、webサイトの裏技のような登録の方法ではあります。
公益社団法人不動産取引協議会では、一般ユーザーに誤解をあたえかねないこのような登録方法をひかえるようにお達しが出ています。
交通の利便の表示に関する周知方のお願いについて
平素、当協議会の事業運営に対しまして格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、当協議会は、不動産の「表示規約」及び「景品規約」の二つの公正競争規約を運用することにより、不当な顧客の誘引を防止し、一般消費者による自主的 かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するための事業を行っていますが、最近、不動産ポータルサイト等において下記の表示例のとおり、現実的で はない駅を「利用駅」として表示しているケースが見受けられます。
表示規約では、「交通の利便」を必要な表示事項とし、具体的には、[1]徒歩圏にある物件については「最寄駅名」と「最寄駅からの徒歩所要時間」を、[2]バス便の物件については「最寄駅名」と「最寄駅から最寄りのバス停までのバス所要時間及び同バス停からの徒歩所要時間」を表示することとなっています。
ポータルサイトにおいては、物件登録に際し最寄駅のほか、複数の駅が利用できる物件については2駅程の「利用駅」を登録することが可能となっています。
これは、一般消費者が物件選択をする際の参考に資するための情報提供ではありますが、これをいわば悪用して下記の表示例のように、検索条件とした駅から 日常的に徒歩で行くことが極めて困難な駅であるのに、「利用駅」として登録することにより、一般消費者が当該駅名を検索条件として検索すると実際には当該 駅が最寄駅ではないのに、この物件がヒットすることとなります。
このような方法による物件検索を一般消費者にさせる行為は、所在地誤認を招くおそれがあるほか、不動産業界の信用を失墜させる行為であるといえます。
つきましては、実際には最寄駅ではなく、日常的に利用することが現実的ではない駅の登録及び当該駅からの徒歩所要時間等の登録を行わないよう、貴協会加盟事業者に周知いただきたく、お願い申し上げます。記
【表示例】
ポータルサイトで「山手線 渋谷駅」を検索条件の最寄駅として賃貸物件を検索したところ、1.所在地が「東京都調布市若葉町」、最寄駅が「京王線 つつじヶ丘駅 徒歩6分」である物件の広告が検索された。詳細画面には、最寄駅のほかに「JR山手線 渋谷駅 徒歩99分」と登録されていた。
2.所在地が「神奈川県川崎市宮前区有馬」、最寄駅が「東急田園都市線 鷺沼駅 徒歩13分」である物件の広告が検索された。詳細画面には、最寄駅のほかに「JR山手線 渋谷駅 徒歩88分」と登録されていた。
引用元:公益社団法人首都圏不動産取引協議会 交通の利便の表示に関する周知方のお願いについて
http://www.sfkoutori.or.jp/kiyak/260925koutsuunoriben.html
このお達しが出たのが平成26年。かれこれ1年半ほど前のようですが、未だにこの手法が一部業者で行われているという現実が見えてきました。自社の物件をどうにかして埋めるために色々と必死です。なりふりかまってられないといったところでしょうか。
終電がなくなった時の最寄駅はターミナル駅でしょ?と言われればそれまでですが、誤解を与えるような表現はいかがなものかな?と思います。
違法か違法でないかでいえば、違法ではない
お願いレベルということのようなので、なんとも煮え切らない文章。
直接公益社団法人首都圏不動産協会に電話してみました。
Q1:最寄駅でないものを検索にひっかけるために登録するのは違法なのかどうか?
A1:違法ではない
Q2:対策としては?
A2:一般消費者のことを考えると決して好ましい表記とはいえないので、24の加盟業者やポータルサイト運営にはそういう書き方をしないように注意喚起はしている。
Q3:現実はなくなってないですよね?
A3:このままではいかんなぁという感じです。お願いはしてはいるのですが。。。
というわけで、電話してもあまり煮え切らない回答でした。
違法ではないが、そういう物件や業者には一応注意が必要
ターミナル駅にどうしてもからませたい物件ということを考えると、長いあいだ空室といった可能性や、少々無理をしてでも物件を決めさせたい業者の可能性が否定できません。違法ではないけど少々のズルは必要というスタンスでしょうか。
現実性が低い最寄駅には要注意ですね。
それでは。