こんにちは。暮らしっく不動産の徳留です。

2月、3月は引越しシーズン。
引越しを検討されている方も多いのでは?
ネットや情報誌で1Kや1LDKや1SLDKや色々な間取りがありますが、えっ?と思うこともありませんか?
LDKや和室はわかるけども"S"って何?と。
今日は当たり前のように使われている間取りにでてくるローマ字を解説します。

間取り図にでてくる"S"とは?

間取り図に出てくる"S"とはサービスルームと呼ばれるものです。
居室ではないサービスルームと呼ばれるものを知るためにはまずは建築基準法が認める居室が何かを知る必要があります。
建築基準法上で"居室"として認められるのは採光の基準をクリアしないといけません。

建築基準法28条を見てみます。

  1. 住宅、学校、病院、診療所、寄宿舎、下宿その他これらに類する建築物で政令で定めるものの居室(居住のための居室、学校の教室、病院の病室その他 これらに類するものとして政令で定めるものに限る。)には、採光のための窓その他の開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対し て、住宅にあつては七分の一以上、その他の建築物にあつては五分の一から十分の一までの間において政令で定める割合以上としなければならない。ただし、地 階若しくは地下工作物内に設ける居室その他これらに類する居室又は温湿度調整を必要とする作業を行う作業室その他用途上やむを得ない居室については、この 限りでない。

出典:wiki books
https://ja.wikibooks.org/wiki/%E5%BB%BA%E7%AF%89%E5%9F%BA%E6%BA%96%E6%B3%95%E7%AC%AC28%E6%9D%A1

"人が住む居室としては基本的には採光がとれなければいけない。採光の面積は居室の床面積の1/7以上でなければならない。"と書いています。

もっと簡単にいえば窓面積が居室面積の1/7以上でなくてはならないということです。

上記の間取りを見てみてください。納戸の部分に窓はついていますが部屋の面積からすると1/7にも満たないサイズのようです。こうすると建築基準法では"居室"としては認められません。ですのでクーラーの穴やテレビ配線は基本的に設置されていません。そういうものをつけると居室として使うのかな?と思われて建築許可がおりません。
ですので居室としては申請できないので納戸として登録されています。
SとはサービスルームのSであり実質の納戸なのです。
納戸登録ですが、寝室や居室として使うかはお客さんの自由です。
上記の間取りは"1Kウォークインクローゼット付き"と書いてもいいのですが、1SKと書いたほうがなんとなく部屋が広くおしゃれに聞こえる。という理由のようなものです。

間取り図に出てくる他のローマ字は?

もはや説明不要なもの

リビング
もはや解説不要かとも思いますがついでなので書いておきます。
家族とテレビを見たりくつろぐスペースです。リビングの表記はLです。


ダイニング
ご飯を食べたりするスペースです。リビングとダイニングが曖昧になっている部屋も多いですね。
間取り図の表記はDです。

キッチン
台所です。間取り図の表記はKです。ダイニングの中に統合されて面積表示が曖昧になっていることもあります。

ちょっと変わったもの

N
"NANDO"そのままです。納戸です。わざわざローマ字表記にする必要があるのか!とつっこみたいです。
売買系のマンションでたまにみかけます。

J
"Japanese room"和室です。初めて耳にした時はこそばゆい気持ちになりました。図面にjapanese roomと書くことに抵抗を感じる徳留です。

BR
"Bed room"ベッドルーム。寝室のことです。
"MBR"とあればマスターベッドルームのこと。日本語でいえば主寝室。


P
"Powder room"化粧室。洗面化粧台です。
室内洗濯機置場と同じ空間にあることが多いです。

W
(笑)ではありません。ウォークインクローゼットのことです。
実質は納戸と変わりませんが、Wと表記している場合は中を歩いて入れるタイプのウォークインクローゼットが多いようです。

PS
追伸の意味ではありません。"パイプスペース"です。配管が通っています。建物上、どうしても必要なスペースですね。中には水道管やガス管が入っていることが多いです。

さいごに

部屋の使い方次第ですが2SLDKと2NLDKと3LDKは同じことをさす場合もあります。
一部屋を居室としてとらえるのか納戸としてとらえるのかという差ですが、使い方によっては書斎や趣味の部屋として使うことも可能です。おしゃれなテイストで書きたいがためにこのような表記になっていますが、結局わかりづらくなっているような気もします。

あまり聞きなれない表記もありましたが、このような表記は高級マンションに多いです。オシャレ感の演出とでもいいましょうか。スケッチ画風の図面には多用されているような印象があります。そういうマンションは海が綺麗に見えたり都心の夜景が綺麗だったりとワンランク上のマンションが多いです。ハイクラスに住める=国際的という意味?なのかもしれませんね。

このあたりのアルファベット表記の知識は覚えておくと便利です。

それでは!